ニュートンには、もともと、自然は美しい秩序をもっているという強い思いがあった。だから、光の色も音楽のようにきちっと七つに分けられるのは至極自然なことであると考えたのだろう。7は特別な数字なのだ。のちに、元素を原子量の順番に並べていくと8番目ごとに似た性質の元素があらわれているという事実が発見された。これは1864年に英国のジョンーアレキサンダー・ニューランズが見つけた「オクターヴの法則(音程則)」である。この法則は、未知の元素を見つけていく道しるべになった元素の周期律の発見に結びついていく。オクターヴである理由はニュートンのように音楽における美の整合性からきているのではなく、原子内の電子配置に2、4、8、18、32の周期性があるために起こるからであり、ニューランズはその8の周期を見つけたのである。それはさておき、太陽の光は七つの色に分けられるという話は誰でも知っている。ニュートンがすぐれているのは、七つに分けられた色の光の一つをスリットで区切って、それをプリズムに通しても、もう再び七つの色の光には分けられないと確認したことにある。さらに、プリズムで分けられた七つの色の光をレンズで集める実験を行なったのだ。自然科学においては、実験によって新たな知識が生まれ、実験によって仮説を確認する。それまで誰も試みたことのなかった、このときのニュートンの実験によって、七つの色はもとの太陽の光のように「白い光」に戻った。最後に彼は念には念を入れて、レンズで集めた白い光を、またプリズムに通して七つの色の光に再現させている。こうして、「白い光」が発見されたのである。同時に、ニュートンはロバートーフックやクリスチャンーホイヘンスとのきびしい論争に耐えて、白い光は赤や緑と同じように一つの色だとしたギリシヤのアリストテレス以来の説をも打ち破ったのである。すごいことではないか。