小型の三輪からマイクロバス

2011.06.15

ベモは乗合いタクシーといったようなもので、荷台に人が乗れるように改造した小型の三輪からマイクロバスまで、大きさもさまざまだ。鉄道のないバリ島では貴重な市民の乗物で、どこでも乗り降りは自由、便利なうえ料金も安い。海岸に沿う賑やかな通りを走り西へ七キロメートル行けば、もう首都デンパサールの中心部だった。車も多くなるが、市場の前や大通りに通じる路地は人々であふれ返り、圧倒されるような熱気を感じる。インドネシア、特にジャワ島やバリ島での人口の都市集中は、この国での大きな社会問題となっている。もともと、インドネシアの人口は多く、一億八〇〇〇万という数字は世界でも第五位の芳しくない記録となっている。政府も家族計画キャンペーンを進めているが、なかなか思うようには効果が上がっていない。食糧難や就職難は政府にとってアタマの痛い問題である。新しい可能性を求めて人々は都会にやって来るが暮らしは向上しない。都市での犯罪は増え、スラムは広がるばかりとなる。デンパサールで一番賑やかな通りといわれる東西一キロほどのメインストリート、ガジャ・マダ通りの東端にある、ププタン広場の脇に車をとめた。交通標識も少なく、馴染みのない地名ばかりなので、たえず自分のいる位置を確認しなくてはならない。すぐ地図を広げてみた。広場の名前であるププタンとは、自決の行進を意味するそうである。