「アルファキュービック」でみつけた

2011.05.06

欲しい服、買いたい服のイラストが書いてある。その横にキャプションのように「どこで見つけたなになに。いくら。欲しいけれど、まだ買えない」などと文までつけている。こんなことをして遊ぶのが何より好きな子供だった。ファッション雑誌の編集者というのは、なるべくしてなった職業かもしれない。そして意外なことに、その頃と今とではそれほど趣味が変わっていないのである。カーキ色のトレンチコートに細いグレーのパンツをはいたモデルの写真が貼りつけてある。今見てもほとんど古さは感じない。ああ、このコートきたなあ、と思い出す。当時はまだ、外国雑誌の写真を見て、同じようなものを探すのは至難の業だった。だけれどその分、思い通りのものをみつけた時の喜びは大きかった。そのコートは結局手に入らなかったけれど、のちに同じようなカーキ色のサファリースーツを「アルファキュービック」でみつけたのだった。